肺がんは日本のがんによる死亡数でトップになっています。肺がんは喫煙者だけの病気ではありません。遺伝的要因や過去の呼吸器疾患、環境汚染なども関係しています。もちろんタバコは肺がんのリスクを高める最たる要因に違いありません。

喫煙者本人だけでなく周囲の人のタバコの煙を吸わされる受動喫煙者にも大きな影響があります。40歳を過ぎたら肺がん検診を受けるようにし、とくに50歳以上で1日に吸うタバコの本数×喫煙年数が600以上の喫煙者は早急にがん検診を受けましょう。早めにがん検診をして早期のうちに発見し治療をすれば、約8割の人が治るとも言われています。胸部単純X線撮影は通常の健康診断にも含まれており、ほとんどの施設で撮影でき簡単で優れた検査といえます。

胸部臓器の形状をチェックし病巣の広がりなどがわかります。しかし肺は他の臓器などに重なってしまう位置にあるため病変を発見するのは難しく、小さながんも発見しにくい欠点があります。胸部CT検査は肺の病変の早期発見に最適です。胸部単純X線に比べ初期段階の小さながんも発見することができます。

また肺がんの他にも肺結核や肺炎、気管支炎、肺気腫、肺のう胞などの疾患をみつけるのにも優れています。喀痰細胞診検査は痰を採取して肺や気管支などの細胞の異型性などを調べることで、痰の中にがん細胞がないかわかります。喀痰を続けて3日間採取することが必要なため採取が難しい場合もあります。