いわゆる子宮がんには2種類あり、子宮の膣に近い部位に出来るのが子宮頸がん、上部にある子宮内膜に出来るのが子宮体がんです。子宮頸がんは20~30代に多く、子宮体がんは40代後半から60代に多いがんです。現在がん検診として確立されているのは、子宮頸がん検診で、子宮体がん検診については有効性がしっかりとは認められていません。子宮頸がんは、原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)が感染してから増殖するのに5~10年かかり、進行が極めて遅いので、がん検診を定期的に受けていれば見つけやすく、早期であれば治療の効果も高いがんです。

子宮頸がん検診は20歳以上の女性が2年に1回受けるのが望ましいとされています。主な検査項目は、既往症や家族歴などを聞く問診と、細胞診です。細胞診は子宮頚部の粘膜を採取して検査し、がんがあるかどうか、細胞の組織型はどうかがわかります。この検査で何らかの問題があれば精密検査を必要だと診断されます。

その割合は約1%です。子宮頸がん検査の精密検査では、組織診やコルポスコープなどが行われます。どのような検査方法を選ぶかは、細胞診で得た結果による、部位や病変の状況によって違ってきます。コルポスコープは、子宮頚部の内面を拡大して詳しく観察できる医療機械で、観察と組織採取によって検査を行います。

組織診では、がんが疑われる部位からの組織採取を行い、顕微鏡で見て判断します。なお、子宮体がんの場合は、検査よりむしろ、早期段階で不正性器出血や下腹部痛によって発見されることが多いとされています。